≪公演を行うにあたって≫

この度の「東日本大震災」被災者のみなさまに、心よりお見舞い申し上げます。

 

 被災者のみなさま、被災地の様子を伝える映像やニュースを目にするたび、かつてない大地震に見舞われたこのような緊急時においても、気丈に現状に向き合い、周りの方々と支え合いながら、心をひとつにし、困難に立ち向かっていらっしゃる被災地の方々の姿に胸をうたれ、同じ日本に住まうものとして誇りに思い、「なにかお役に立てることをしたい」という強い思いで胸が熱くなります。

 

Ⅱ→Ⅴは「演劇を通じて人と人とが出会い、その出会いが演劇界を活性化し、ひいては日本が明るくなるんだ」という思いで動き出しておりました。このような中、この度の未曾有の災害を目の当たりにして、決して傍観者ではいられない思いでいっぱいになっております。

 

演劇には空腹を満たしたり、冷えた身体を温めたりすることはできませんが、芝居を求める人に演劇を届けることは私たちにしかできません。5月には供給電力が増えると聞いております。場合によっては需要電力と相談しながらの公演となるかもしれませんが、人が集まる場として劇場を開放し、同じものを鑑賞して他者とあーだこーだ言い合う。そういった営みを大事にしていきたいと考えております故に公演を行う考えで現在動いております。不謹慎だとお考えになる方がいらっしゃることは覚悟しております。公演を行うことに対して、上演を自粛するべきだというご批判が寄せられるかもしれません。メンバー内でも様々な意見がありました。確かに、このような事態にあたっては上演を自粛することがひとつの考えといえますし、演劇unitである私たちにとっては、中止することが簡単な選択であるのかもしれません。

 

 ですが、旗揚げ前に阻まれた私たちは、演劇界に対して本当に無力な存在になってしまいました。演劇人として演劇に対して何もできない、このような状況に忸怩たる思いを抱いておりました。「自粛する」ことではなく、「行動する」ことで、私たちなりに被災者のみなさまの力になりたいという気持ちでいっぱいです。

 

今後の情勢の変化によって大きな変更が生じる場合もでてくるかと思います。その際にはできるだけこのページなどでご報告いたしますので、あらかじめご確認いただきますようよろしくお願い申し上げます。

 

 

被災者の方々に心よりお見舞い申し上げるとともに、一刻も早い被災地の復興をお祈りいたします。そのための一助となれることを、切に願っております。

 

 

平成23年3月28日

 

演劇unitⅡ→Ⅴ

しもとりゆう